燕三条は、
KOUBAで、
人を繋げる

燕三条は金属加工を中心としたものづくりの街です。ところが近年は、機械化や製品の低価格化、流通の変化などで需要が減少しています。結果として職人の後継者不足や閉業など、さまざまな問題を抱えることとなりました。それを改善するために、私たちは工場を開放し、製造現場をそのままお客様に体感していただく工場見学のイベント「燕三条 工場の祭典」を2013年から続けてきました。芸術祭のように、地図を片手に各自が思い思いに興味のあるKOUBAをめぐるというものです。

当初は54件の参加事業所だったものが、第7回目となる2019年は2倍強の113件となりました。ご来場くださったお客様はのべ56,000人にものぼり、KOUBAでの販売も好調です。ただ、動員や売上だけがその成果ではありません。「燕三条 工場の祭典」をきっかけに職人になりたいという若者が地域外から訪れるようになり、地元の子どもたちへの教育にも繋がっています。また、職人が率先してお客様に接するようになり、イベント期間外でも常に工場を開放する会社が少しずつ増えるなど、当初は想定していなかった大きな変化が地域に現れています。

2018年、ロンドンのジャパン・ハウスでは燕三条の歴史を体系的に網羅した企画展「燕三条 金属の進化と分化」が2ヶ月に渡って開催されました。そこで私たちは、同館企画局長のサイモン・ライト氏より作曲家グスタフ・マーラーの言葉を教えられます。

「伝統とは灰を崇拝することではなく、炎を絶やさないことである」

燕三条における金属加工の歴史は、一面で製造物を変化させてきた歴史であり、新たな需要に応えてきた歴史でもあります。そしてそれは一握りの力のある職人が作りあげてきたものではなく、記録も残さず、語られることも少ない無数の作り手一人一人が築きあげてきたものです。伝統の火を次世代に渡すために、その無数の、無名の職人に思いを馳せながら、現在を生きることこそが私たちの役割です。イベントの形に限らず、1年を通してものづくりの背景や奥深さを現場で伝えることで、未来のものづくりへと繋げていきたいと願っています。

私たちは今後もKOUBAを起点とした活動を続けて参ります。

運営チーム

主催・運営:
「燕三条 工場の祭典」実行委員会
共催:
公益財団法人燕三条地場産業振興センター、三条市、燕市
全体監修:method
アートディレクション・デザイン:SPREAD
撮影:神宮巨樹、古平和弘
プロジェクション:岸本智也
編集・文:山田泰巨
翻訳:カプラン・ザッカリー
ウェブ制作:スマイルファーム
プレス:HOW INC.

お問い合わせ先

「燕三条 工場の祭典」実行委員会
公益財団法人燕三条地場産業振興センター 燕三条ブランド推進部 企画推進課 内
新潟県三条市須頃1-17
TEL:0256-35-7811
Mail:kouba-fes@tsjiba.or.jp